4−4(ダリアの物語)
『謎の青汁(笑)』
緑の液体。
その液体は、なんとも形容し難い臭いを発しているように見える。が、実際の臭いは弱い。鼻を近付けてみて臭いを感じとってみれば、形容し難い臭いであることはわかるのだが。その臭いが激しいものだったならば、ダリアがレジスタンスのアジトを出る前に不審な目を向けられていたであろうに。
さほどの難なく謎の緑色の液体を持ち出すことに成功したグラスランナーの娘、ダリア・ダリアは盗賊ギルドに加入している闇相手の薬師(くすし)を訪ねていた。
「これがなんだか鑑定して」
そう言い、液体とともに砂金の入った袋を机に置いた。
「しばし、そこで待たれよ……」
黒く汚れ切ったローブを深く着込んだ薬師は、くぐもった声で返事し、袋の中身を確認した後、奥へと下がっていった。
(こいつってば、話どおり性別の分からない奴ね。でも、あの液体の正体を教えてくれるんならねぇ〜〜。ん〜〜これであの偽者も終わりね〜〜)
などと思っているうちに数時間がたった。
「これはジキメの芽、サポの樹皮を中心として練られた魔法薬だな……」
液体を返しながら、薬師は解析結果を伝える。
「効果は、肉体に影響を及ぼす魔法の効果時間の延長のためのものだな……」
「へぇ、そうなの……」
「この薬の創り手はかなりの力量だな……。薬の知識にしても、魔法にしても……」
「この薬って、どれくらいの周期で飲むの?」
「維持するべきの魔法の効果、質にもよるが1日から1週間に一杯というところだろうな……」
「あっりがと」
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