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古今伝授について


 今回のテーマは伊藤さんの要望です。ありがとうございました。それでは、大したことがかけるか、わかりませんが、やってみましょう。


  「古今伝授」というのは、ひらたく言えば、最初の勅撰和歌集である「古今和歌集」の解釈の継承のことをいいます。いきなり、脱線しますが、「古今和歌集」は最初の勅撰集ではありません、最初の勅撰和歌集なのです。ちなみに、最初の勅撰集は漢詩を扱っていました。
 話は戻ります。古今和歌集は平安時代の前半に形成されました。記憶が正しければ、紀貫之の生きていた890年代です。で、貴族の贅沢な暮らしの平安時代は400年くらい続いています。その長い歴史の中では、言葉というものは変化してしまいます。そういうわけで、「古今和歌集」に使われている言葉の使用方法も徐々に変化してしまい、その和歌集の解釈は難しくなっていくのです。
 そこで、登場したのが、解釈書や解釈の講義者です。そのような解釈者の解釈は、少しずつ教えられていました。余談ですが、漢文の解釈と同様です。この解釈の知識は、悪くいえば、めしのたねにもなっていたのです。ですから、解釈技術は一子相伝のものとなることが多いのでした。

 戦国時代には有名な「古今伝授」された人がいます。「藤孝」です。その辺についてはまたこんどリクエストあり次第ということで。


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