残暑見舞い
絵:綾色紫月さん
サイドストーリー(という名の駄文)
「煮るなり焼くなりお好きにしてください」
少女は引きつった笑顔でそう言い放った。
――もうどうとでもなれ!
男たちは小麦色に焼けた肉体を誇示している。少女には、その口元がニヤリというように、薄気味悪い笑いを浮かべたと感じとれた。
「ほぉ、煮ても」
一人が右から耳元に囁く。その息が鼓膜をくすぐっている。
「焼いても」
もう一人が左から。
「「よいのだなぁ?」」
そして、きれいに声を揃えて、ステレオで囁いた。よくFMラジオで流れていそうなハモリがセールスポイントの歌声が脳裏に浮かびかけた。
――こんなきれいな浜辺まできて、何をやっているんだろ?
おれ。
青い空に白い雲。それは終わりが近そうだ。沖から雲が流れてきている。一雨きそうだ。
(続く)
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