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3−4(ダリアの物語)


 ダリア・ダリアがフュルグをかくまったのは話を聞いてもらいたかったからだった。ダリア・ダリアは妹さんの世話をしながら話す。
 ダリアが天井裏での葛藤を打破ったのは、階下から聞こえる声だった。低く抑えた声なのだが、盗賊が天職たるグラスランナーにはどうということもない。
「ようやく、レジスタンスの奴等がわしに食らい付いたわい。これで計画の第1段階は完了じゃな。本物の“私”を知るものを消していけば安心して、ガルデンの神なる力を我がものとすることができる……。クックックックック……」
 ダリアは耳を疑った、今のはいったい?
 女性は深い緑色の液体を取り出し、一気に飲み干す。
「ん〜〜、まずい。この維持液ももう少し味を考えるのだったな。さて姫を待つ頼もしい仲間もいることだし、着替えるとしましょうね」
 姫の口調に戻しながら、女性はドレスを着替えている。やがて着替え終わり、となりの部屋へ移っていく。それを追い掛けてダリアも移動する。
「グレーヌ様、ご無事で何よりでした!」
 若い男の興奮した声が聞こえた。男はやがて、姫をレジスタンスに迎えることについ て、詳しく語り出した。

「何やら鼠がいるようじゃぞ。わらわは鼠が嫌いじゃ、殺してたもれ」
 この言葉を聞いたときには遅かった。退屈な話を聞きすぎ、少々油断していた。姫と呼ばれる女性に気付かれるとは……。


 という回想話を中心としたもので、レジスタンスにいる姫はまがいものではないか、という話である。
 さすがにフュルグは話を聞いただけでは、姫についてのことは結論を出し切ることはできなかった。あのとき追いかけたグラスランナーが、このグラスランナーだということはわかったが。


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